高価格帯の商品、どんな時に買う?

私たちは普段、できるだけコストパフォーマンスの良い買い物を選びがちです。
ですが、誰でも一度は「少し高いけど、これが欲しい」と思って購入した経験があるのではないでしょうか。
高価格帯の商品が選ばれるのは、単に「お金に余裕があるから」だけではありません。
そこにはいくつか共通した心理や状況があります。
1. 特別を演出したい時
誕生日、結婚記念日、人生の節目など。
「一生の思い出にしたい」「特別感を出したい」と思う時、人は価格よりも体験や演出を優先します。
たとえば、高級レストランのディナーやブランドのジュエリーなど。
コストパフォーマンスよりも「その貴重な瞬間の体験や感覚」が重要になった時、
普段は避けるような金額の商品でも購入しようと考えます。
言い方と変えるならば、失敗したくない時とも言えます。
加えて、その機会が貴重であればあるほど価値が高いものを選びたいと思うのです。
2.トータルでコストパフォーマンスが良い時
「安物買いの銭失い」という言葉があります。
家具、家電、仕事道具など、長く使い、使う頻度も高いものは特に良いものを選びたいものです。
コストパフォーマンスを優先して、機能的に使いづらいものを買うと、
次のものを買うまでの長い間、不便さを感じることになるからです。
そのため、多少高くても、長く愛用できる品質なら「結局コスパがいい」と判断して購入されます。
それは、デザインでも同じです。
いまいち気に入らないデザインで、もやもやとした気持ちを感じながら買い換えるタイミングを待つくらいなら、
多少高くとも、最初から自分が心から素敵だと思うデザインを選ぶ傾向があります。
この、高い機能性とデザイン性の伝達が、売場でブランドの世界観を強め、価値を引き立たせることにつながります。
3. 自分へのご褒美やモチベーションを高めたい時
仕事を頑張った後や、何かを乗り越えた後に「ご褒美買い」をする人は多いです。
特に、日常的に頑張り続けている働く世代の人々にとっては、この自己投資的な買い物が大きな意味を持ちます。
この時は「価格以上に気持ちの充実」が優先され、財布のひもがゆるみやすくなります。
感情が優先されているので、「安さ」や「必要性」よりも
デザイン性が重要なポイントになる傾向があります。
4. ブランドやストーリーに惹かれた時
高価格帯の商品は「モノ」だけでなく、「背景の物語」や「ブランドの信頼感」も含めて売られています。
たとえば職人が長い時間で培った技術を駆使して工芸品を作る様子や、
いくつもの苦難を乗り越えて繁盛したお店など、
ストーリーを知った上で見た商品と、棚に並んでいる初めて見た商品とでは
その価値にとても大きな差があるように感じます。
ブランドや人への「共感」や「憧れ」といった感情が購買の大きな理由のひとつになります。
4. 周囲からの評価や社会的ステータスを意識する時
「この時計をつけていると信頼される」「このバッグなら一目置かれる」など、
自分の外に意味合いを持つ買い物です。
ビジネスシーンや人前に立つ職業では特に、
こうした“見えない価値”のために高価格帯の商品が選ばれることがあります。
たとえば、人に良く思われたい、センス良く見られたいなどです。
不思議なことに、自分が価値の高い人と思われたい時もまた、
価値の高い商品が選ばれる傾向にあります。
まとめ
高価格帯の商品が買われるのは、単なる「贅沢」の為だけではありません。
- 特別な体験
- 長期的な投資
- 自分へのご褒美
- ブランドや物語性
- 社会的評価
こうした要素が重なる時、人は「高いけど欲しい」と思い、実際に購入に踏み切ります。
デザインやブランディングに携わる私たちにとって、この心理を理解することはとても重要で、
価格の高い商品になるほど、その傾向は強まります。
そして、それはきちんと消費者の目に見える形にすることが大切です。
そのために、デザインとブランディングはしっかりと行うことが重要です。
名古屋に限らず、全国の百貨店や雑貨店に並ぶパッケージも手がけてきた経験も交えながら
高い付加価値を演出するパッケージおよびブランドを制作しています。
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